エクスペンダブルズ 1・2



大味のアクション映画。といってしまえばそれまでだが何よりキャストが違う!

かつての90年代を席巻した脳みそ空っぽにしてみる系映画のスターたちがこれでもかと同じ映画の中で暴れまくる。
スタローン、ブルース・ウィリスシュワちゃんが同じ画面の中に写っているというだけで僕ら(20代後半から30代前半の男子)はもうノックアウトなのである。映画の出来だとか脚本がどうだとかそんなことは関係ない。
かつて黒澤明は「七人の侍」を作る際に、「カツ丼の上にビフテキとウナギを乗せたような映画を作る」と言っていたそうだが

エクスペンダブルズを表するなら『かつ丼の上にビフテキとウナギとから揚げと天ぷらとハンバーグと、ついでにカレーも載せちゃおう』といった感じだろうか。明らかにカロリーオーバーである。うまいもん全部合わせたらうまくなるだろうというような実に頭の悪い考えで作られたそんな気がしてならないのだ(褒めてます)

と、愛ゆえの罵倒が続いてしまったがいいところももちろんある。火薬と筋肉に飢えている人間には絶好の映画であるし各キャラごとにキチンと見せ場を作ってあげているのが偉い。各キャラファンたちへのファンサービスと、俳優ごとのメタ的なセリフをふんだんに使い、分かる人はわかるということでマニアを喜ばせる。
スタローンが主役なのですべておいしいところを持っていくのかと思いきやそんなに大活躍でもない。スタローンは結構ボコボコにされたりする。そして、1・2とヒロイン的ポジションの女性といい感じになるがキスなどはしない。
あくまでいい感じになるだけだ。
彼が戻るのは仲間たちの元だけなのだ。
自らをexpendoubles(消耗品軍団)と称しつつも、俺たちは消耗品じゃねぇという叫びが聞こえる気がする。
あるいは消耗品がどうした。まだまだ、使えるぞオラァ!というような気概だろうか。

ただ、そういう文脈をわかっている(アクション映画あるある、や彼らの出演した映画をみている)ことが前提という向きもある。
登場俳優たちは皆、かつての大スター(いや、今でもスターではあるけれど)である。そんな彼らの活躍を知らないと感動も薄く、いい年したおっさん達が何をやってるんだというような印象を受けるかもしれない。
その辺どうなのだろうか?若い世代はこの映画を楽しんでいるのだろうか?

だけど、僕は大好きです。なんていうかただただ幸せな気持ちで観ていられる。11月から始まるエクスペンダブルズ3も観たくてたまらないです。やはり、僕は脳みそからっぽにしてみる非常に偏差値の低い映画が大好きなんだなぁ。